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胸部X線検査 所見名解説

右胸心

本来は胸部の左側にある心臓が右側にある状態です。
生まれつきのもので、問題はありません。

右側大動脈弓

大動脈弓が正常の場合とは逆に右後方に向かい、脊椎の右側を下降している状態です。
生まれつきのもので、問題はありません。


横隔膜の挙上

横隔膜が上にあがっている状態です。
横隔膜神経の麻痺、横隔膜弛緩症、肝腫大、横隔膜ヘルニアなどでみられます。

間質影

肺には、気管支が何度も枝分かれをした先に「肺胞」という空気と血液中のガスの交換をする小さな袋が多数あります。
肺胞と肺胞の間を「間質」と呼び、間質影は、間質に炎症がおきて淡いすりガラスのような影が見られる状態をいいます。

気管支拡張症

主に中層部の気管支が拡張した状態です。

気胸

肺胞という袋状の組織が融合した大きな袋となり、その袋が破れる病気です。
ブラという空気の袋の破裂などが原因で起こります。
その結果、肺から空気が抜けて萎んだ状態(肺虚脱)となり、胸部エックス線検査では虚脱した肺と胸腔内に空気の溜まりとして認められます。

奇静脈葉

奇静脈が発生途中で肺を横切ったために右肺の上部が2つに分かれている状態です。
生まれつきのもので、問題はありません。

胸郭形成(成形)術後

肺結核などの治療法で肋骨などを切除し胸膜外より肺の結核病巣を圧迫して縮小させる外科手術の治療を胸郭形成術といいます。
その治療の後で胸郭の変形が見られます。

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胸水

胸部に通常存在しない水がたまった状態です。
心不全、腎不全、胸膜炎などでみられます。


胸膜の石灰化影

肺を包む胸膜にカルシウムが沈着して石灰化像として認められます。
肺結核、塵肺症(じんぱいしょう)などでみられます。

胸膜肥厚

肺を包む胸膜が厚くなった状態です。
過去の胸膜炎、肺感染症などが考えられます。

胸膜癒着

胸を包む胸膜に炎症が起こり周囲に癒着した跡です。
過去の胸膜炎、肺感染症などが考えられます。

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結節影

胸部エックス線画像に映った直径3 cm以下の類円形の陰影をいいます。
原発性肺がんや、大腸がん、腎がんなど他の部位からの転移、結核、肺真菌症(カビで起こる病気)、非結核性抗酸菌症、陳旧化した肺炎、良性腫瘍(過誤腫など)などでみられます。

索状影

太さが2~3mmのやや太い陰影をいいます。
肺感染症が治った痕跡などとして現れます。

術後変化

胸部の外科手術後の変化で胸郭、肺などに変形や金属物による縫合、接合のあとがみられます。

腫瘤影

胸部エックス線画像に映った直径3 cmを超える類円形の陰影をいいます。
肺膿瘍、肺腫瘍などにみられます。


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食道裂孔ヘルニア

本来腹部にある胃の一部が横隔膜の食道裂孔という穴を通って胸部内に入り込んだ状態です。
胸焼け、胸部圧迫感などが現れます。


心肥大

心臓の陰影の横幅が胸の横幅の50%よりも大きくなっている状態です。
肥満、心不全、心臓弁膜症などでみられます。

浸潤影

肺胞内への細胞成分や液体成分が入り込んで生じる境界の不明確な陰影をいいます。
肺炎、肺結核などの肺感染症や肺腫瘍などでみられます。


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石灰化影

肺結核や肺炎などが治ったあとに石灰分が沈着して白く映る陰影です。
肺過誤腫などにも石灰化影をみることがあります。

線状影

太さが1~2mmの細い線状の陰影をいいます。
葉間胸膜の肥厚や、心不全でのリンパ管の拡張などで現れます。


大動脈の蛇行

大動脈が弯曲して走行している状態です。
動脈硬化などでみられます。

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内臓逆位

内臓がすべて左右逆に配置されている状態です。
胸部でいえば肺や心臓、大動脈が本来ある位置と逆になっている状態です。
生まれつきのもので、問題はありません。

ブラ

肺胞の壁の破壊や拡張によって、隣接する肺胞と融合した大きな袋になったもので、一般には直径1 cm以上のものをいいます。
これが破れると自然気胸という病気が起こります。

肺門リンパ節腫大

胸部の中心にある心臓から左右の肺に入る太い肺動静脈や気管支が心臓近くで肺門部を形成します。
肺門部には多数のリンパ節が存在し、肺腫瘍、肺結核、サルコイドーシスなどでリンパ節が腫大した所見を示します。


粒状影

直径数mm以下の顆粒状の陰影で、び漫性に広い範囲に見られることの多い陰影です。
粟粒結核、肺真菌症、びまん性汎細気管支炎などに見られます。

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リンパ節の石灰化

リンパ節に生じた炎症の後でカルシウムが沈着したものです。
陳旧性肺結核などでも認められます。


肋骨骨折・骨折痕

骨折後の所見として骨折線が認められたり骨の破断や離解が見られます。
また骨折後の変化として骨硬化像がよく見られます。

肺線維症

肺線維症は間質性肺炎が広範囲に進行したもので臨床的には不可逆性です。
不整形陰影、網状影、多発輪状影、蜂巣、蜂窩肺が見られます。


縦隔腫瘍

縦隔内に発生した腫瘍です。縦隔とは、胸部内で左右の肺、肋骨、椎骨に囲まれた部分です。
X線CTやMRIや超音波検査が質的診断に有効です。

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塵肺症 (石綿肺・珪肺 等)

塵肺症は経気道的に塵を吸入して発生します。
職業的な粉塵による曝露(ばくろ)の代表例は珪肺と石綿肺です。

大動脈瘤

大動脈弓部や下行大動脈に部分的に紡錘状や嚢状に突出します。
過去には原因として梅毒性が少なくありませんでしたが現在は動脈硬化性が大多数です。
大動脈解離との鑑別が必要となります。

動脈硬化症

年齢とともに血管が老化し、弾力性が失われて硬くなったり、動脈内にさまざまな物質が沈着して血管が狭くなり、
血液の流れが滞る状態をいいます。
動脈硬化が生じると狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患が生じる場合があります。

肺気腫

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の代表例です。
喫煙が原因で発症する場合がありますが、受動喫煙による影響も否定できません。

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非結核性抗酸菌症

結核菌とらい菌を除く非結核性抗酸菌によって生じた感染症をいいます。
以前は結核菌によるものを定型的と考えていたので、非定型抗酸菌症ともいわれていました。
非結核性肺抗酸菌は土や水などの環境中に存在する菌で、結核菌とは異なり病原性が弱く、
人から人への感染はしません。

慢性気管支炎

原因不明のせきとたんの症状が長く続く状態です。
長期の喫煙がもっとも重要な原因と考えられています。

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胃部X線検査 所見名解説

【胃所見】

胃ポリープ

消化管の内腔を覆う粘膜の一部がイボのように盛り上がった病変です。

胃陥凹性病変

胃粘膜の欠損(陥凹)した病変です。

胃隆起性病変

胃粘膜の内腔に突出(隆起)した病変です。

胃潰瘍

胃粘膜に欠損が生じた状態です。

胃潰瘍瘢痕

胃潰瘍が治り、胃粘膜の欠損が修復された状態です。

胃粘膜下腫瘍

胃粘膜の下から発生する腫瘤のことで、良性と悪性があります。

粘膜不整

正常胃粘膜はX線検査では均一で微細な模様を呈していますが、その構造が乱れた状態をいいます。
慢性胃炎や比較的凹凸に乏しい胃がんなどが原因となります。

胃炎

胃粘膜に炎症がみられる状態です。
胃炎には胃の粘膜が薄くなる萎縮性胃炎や粘膜が凹凸になる過形成胃炎、粘膜が厚くなる肥厚性胃炎などがあります。

圧排像

胃の周囲の臓器や腹腔内の腫瘤によって胃が外側から押されて内腔側に窪んだ所見です。
呼吸や胃の伸展度により部位や形状が変化します。

変形

胃の内部に病変(とくに潰瘍や腫瘍)があるときにいろいろな変形をきたします。
変形についてはその原因がほぼ特定できます。
病変の治癒後も変形が残る場合があります。

胃静脈瘤

胃の静脈が瘤(こぶ)状に腫れた状態です。
主として肝硬変や肝がんに伴い門脈の血流障害により生じます。

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【食道所見】

食道ポリープ

多くが食道上皮から発生した良性のものですがまれに癌化することもあります。

食道陥凹性病変

食道内腔に対して陥凹した(へっ込んだ状態)病変の総称です。
食道がん、潰瘍、憩室などによる変化です。


食道隆起性病変

食道内腔に突出した病変の総称です。
食道がんやポリープ、粘膜下腫瘍などによる変化です。

食道炎

食道粘膜の炎症です。
胃液の逆流、カンジダなどの感染や過度の飲酒などで起きます。
胸やけや胸痛などの症状があれば治療が必要です。

食道潰瘍

食道粘膜に起こる限局性の組織欠損をいいます。

食道静脈瘤

食道の静脈が瘤(こぶ)状に腫れた状態です。
主として肝硬変や肝がんに伴う門脈の血流障害により生じます。

食道裂孔ヘルニア

食道が横隔膜を通り抜ける隙間である食道裂孔から、本来腹腔内にあるべき胃が胸腔内に入り込む状態をいいます。
胃酸などの胃内容物が食道へ逆流し、逆流性食道炎を起こしやすい状態です。

アカラシア

食道から胃にかけての筋肉機能障害により、摂取した食物をうまく胃に運べない病態です。

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【十二指腸・その他 所見】

十二指腸潰瘍

ピロリ菌や非ステロイド性抗炎症薬、胃酸などで、十二指腸の粘膜が傷つけられ、
粘膜や組織の一部がなくなる病気です。
主に十二指腸の入り口である球部に出来やすい特徴があります。

十二指腸潰瘍瘢痕  (十二指腸球部変形)

十二指腸潰瘍が治り粘膜が修復されたときにできた変化です。

結石

体内に生じた石状の塊のことであり、胆のう結石や腎臓結石が代表です。
X線検査ではカルシウム含有量が多くなるほど白く濃い陰影として写ります。

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